この文章では、検便の結果に群がるおじさんの生き様が描かれております。うざったいおじさんしか登場しませんが、それでもよろしければ楽しんでください。
また、検便に関する有益な情報も織り交ぜております。最後らへんは体験談もありますので、辛抱強く読んで頂ければ幸いです。
【登場人物】
私 :健康体なのが唯一の誇りなおじさん。
同僚:真面目な同僚。そしておじさん。
先輩:優しい先輩。やっぱりおじさん。
後輩:阿呆でメタボな後輩。見た目おじさん。
こんちには僕便潜血!!
先日、職場にてトイレ休憩から帰ってくると、隣の席の同僚が奇声をあげた。
同僚「おーまいがっ!!」
私 『頭を抱えてどしたの?お腹でもすいた?アメちゃんでも食べる?』
同僚「見てよこれ、検便の結果なんだけど、病院への紹介状も一緒についてんだよね。はー便潜血出ちゃったのかな~。」
「見た目では出血がなくても、検査をすると血液が検出される状態を「潜血」と呼んでいます。 便の検査は簡単で費用も安いので、大腸がんのスクリーニングによく用いられています。 ただし、大腸がんや大腸ポリープだけでなく、痔からの出血でも陽性になります。 また胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血でも陽性になるので、注意が必要です。
引用元 新橋内視鏡クリニック
私 『うわだっさw。おじさん街道まっしぐだねー。』
同僚「あー。やっぱり内視鏡カメラを尻の穴から入れるのかなー。やだなー。」
大腸内視鏡(だいちょうないしきょう)は、肛門より挿入し、直腸から結腸もしくは回腸末端にかけて、診断・治療を行う器具としての内視鏡、もしくは手技のこと。
引用元 Wikipedia
私 『いやー、いい歳してとうとう大事なもん奪われちゃうねw。看護士さんの冷たい視線に興奮しちゃ駄目よw』
同僚「そういう、自分こそどうなの。ほらそこに何かあるぞ。」
私 『あれ?なにこの見慣れない封筒。』
ビリビリ
私 『・・・』
同僚「何か言ってみな。ニヤニヤ」
私 『じーざす・・・』
同僚「はっはーー!ざまーみろ!」
私 『まさか、こんな時がくるとは・・』
そんな二人のやり取りを聞きつけた同僚Bが少し離れた席からやってきた。
先輩「二人とも、検便に引っかかっちゃったのかな?私も二年前に引っかかったけど、大丈夫だよ。良くある話なんだよ。」
私 『ホントに?いやだなー。大腸癌とかだったらさ。』
先輩「大丈夫だよ。潜血が出ても大腸癌の確率数%らしいし、大概は大丈夫みたいだよ。ちなみに私は痔だったな。w」
便潜血陽性の方から大腸がんが見つかる確率は、2~3%程度です。
大腸ポリープが見つかる確率が50%前後。あとは痔がある方が多く、原因不明の方もかなり多いのが現状です。引用元 新橋内視鏡クリニック
後輩「あれれ!なんか検便ひっかかったって聞こえたけど、誰ひっかかったの!」
同僚「お前の席はフロア違うだろ!何しに来た!」
私 『まてまて、メタボな奴なら色々知ってるかもしれない。【後輩】は検便で引っかかって内視鏡カメラしたことあるのか?』
同僚「あるに決まってんじゃないすか先輩!ほら見てこの体、コンマ1tの体のナイスボディ維持するのは肉しか食べないからっすよ!」
同僚「変なところにプライドを持っているな。でどうだった?内視鏡検査は。」
後輩「聞きたいっすか?いいっすよ。何でも教えますよ。」
私 『やっぱり痛いのかな?』
後輩「そりゃーー痛いっすよ!こんなのを尻の穴にぶっさせば、フゴッッ!!ってなるに決まってんじゃ無いっすかw」
後輩「いやー見物っすね。お二方もあっち方面に目覚めちゃったらいい店紹介しますよ!」
この後同僚と二人がかりで、後輩Cの尻の穴を執拗に攻め続けたのは言うまでもない。
総合病院の消化器内科を訪れる
私『会社行ってきまーす!』
子「行ってらっしゃーい!パパおしごとがんばってねー!」
私『がんばるよー。』
子「イヤな事あったらおしてえねー!」
私『が、がんばるよ~~グスッ』
3歳の息子に何故か励まされながら、私はスーツを着て出かけるのであった。
向かう先は職場ではなく、近くの総合病院である。
なぜ?スーツで病院と思われるでしょう。ソレには深い訳があるのです。
その訳とは、妻が人並み以上に心配性なためです。私が酔って帰るのが遅くなると、車に引かれてるんじゃないかと心配で寝られないくらい心配性なのです。
そんな訳で妻を心配させないため、今回の検便後の検査は妻には内緒で行う事にしたのです。
まずは、紹介状を片手に総合病院へgo!
※病院選定は内視鏡検査のあるところを探そう。近くの総合病院のホームページを見るか、電話して聞いてみようね。
診察受付窓口にて紹介状を手渡すと白い目でこう告げられる。
受付「紹介状の封が開けられてるですが、どこか別な病院へ提出されたんですか?」
私『え?あーとりあえず何となく開けちゃったんですが駄目でしたか?』
受付「駄目です。次から気を付けてください。」
私は素直に謝り、待合室でおとなしく待つことにした。ちなみにもう少し叱って欲しいと思ったのはココだけの話。
待合室で名前を呼ばれ診察を受け、簡単な症状の確認をすると早速大腸内視鏡検査をするのが決定事項となる。
医者と話すと展開が速い。
【日程予約の気を付ける事】
- 小さなポリープは数個でしたらその場で取ってくれます。
- ポリープを取った場合、色々制限あり。状態が悪い場合最悪の場合1日~2日入院。
- また同じく状態が悪い場合一週間程度は遠出や飲酒が禁止。
やばい、心配かけないように妻に内緒で受けてるのに、入院とか洒落にならない・・・
【検査当日の流れ】
- 前日に下剤を飲む。
- お家で飲料水(ポカリスエット的なもの)を2リットルを飲みつつ、胃から大腸まで空っぽにする。
- 病院へ向かう。
- 検査は午後から。
ますます、やばい。まさか家での待機だとは思わなかった。妻の仕事が休みだったらどうしよう。先輩に聞いた時は病院で脱糞すると聞いてたのに、これは予想外。
とりあえず、翌日および一週間後に影響の無い日程を選定し、私は病院を後にした。
思い悩んだ末の行動
私は悩んだ。
妻に何て説明しよう。
そして、もし大腸がんだったらどうしよう。
とりあえず、ガン保険には加入しているので金銭的な面は何とかなるであろう。
しかし、しかしだ。
闘病生活は禁欲的になるはず!
しかも、大腸がんの場合厳しい食事制限があると聞いた事がある。。。
今、私がしなければいけないことは・・・
とりあえずステーキを食べました。
そしてその晩妻に報告。
妻は黙ってた事を笑って許してくれた。
むしろ検便で分かってよかったじゃない、とも言ってくれた。
自暴自棄になって一人ステーキを食べた事は墓場まで内緒にしようと誓うのでした。
つづく